近江社中本店ブログ -小番頭日記-
レトロ雑貨、古美術、骨董品etc.レアもの通販ショップ『近江社中本店』小番頭はっとりの徒然日記
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2009.08.15 Saturday
好きであるということ(ガンダム見記)
何かを好きであるというのは凄いことですね。しかもその期間が長いほど、知らず知らずのうちに思い入れが強くなるようです。
私はこのお盆休みに入るや否や、早速嫁をおいて一人旅を決行。朝から青春18切符を駆使して東京へと向かいました。片道約8時間余りのエコノミーな旅。等身大ガンダムを見たいという、およそ一般女性には理解し難い理由をかかげ、まんまと気ままな自由時間を捻出したわけです。当初ガンダムはあくまで理由付けのはずでした。
翌日のお台場は大変な人だかりです。イベントで賑わうフジテレビを向こうにガンダム会場へ直行。こちらも人気は凄くかなりの見物客でした。
実物大ガンダム。これはやはりファンにとっては一つの夢です。ガンダム生誕30周年。多くのシリーズを通じて登場するモビルスーツのスケール感とは実際どんなものなのか?身長18メートルは、ただの当時の巨大ロボットモノの慣習に習ったに過ぎないのか。一人乗り兵器としての説得力を持つのか、など確かめたいことが多々ありました。
私は30年間取り立ててガンダムフリークだったわけでもないし、所謂ファーストガンダム以降はたしなむ程度の見方しかしていません。ただ小さい頃からとにかくテレビっ子だったということは言えます。もちろん当時オタクという言葉は無く、この言葉が使われだしたのは通説のとおり「超時空要塞マクロス」以降であり、それさえも当初蔑みの意味を多分に含んでいました。いわんや子供は外で元気に遊んでいれば安心と言うこの時代に、アニメの内容を大人の視点で論じることは極めて稀であり、その手のソースも極めて少なかったと思います。私も子供ながらに世間的には漠然とした負い目を感じながら、常にこういった情報を希求していましたし、餓えていました。それゆえに、だからこそどのアニメ作品にも深い憧憬と考察をもって望んでいた記憶があります。
かくしてガンダム像を拝むこと約2時間。列に並んで股の下をくぐったり、触ったり、一時間毎に行われるミストギミックによるアトラクションを写真と動画に収めました。ゆりかもめで何度か往復し、遠景も撮影。我ながら何だろうこのテンションは。こんなに好きだったのかとあらためて自分で思った次第です。
見れば周りの人々は家族連れから若いカップル、子供から初老の方までおられました。家族連れの母親は「アムロが頭んとこに乗るのよ」とか平気な顔して言ってるし、父親も否定しようともしません。何だそれ?!マジンガーZか??教えてやれよ。コアブロックは腹だろうが!まったくっ!
若いカップルの女性の方が「格好いいね」とか言いながら、いろいろ質問してるのに連れの男は何にも答えられずにいます。それでも列に並んでたりする。よく知らないなら来るなよ!
羽を伸ばすのが主な旅の目的だったはずなのに、妙に熱くなっている自分がいました。
もう十分満喫したと、午後からは東京各地を転々と動き回り観光したものの、夜になるとやはりRX78−2ガンダムが気になってきます。ライトアップ何時までやってんだ?9時までは微妙じゃないか。とすれば最終のアトラクションは8時?急がねば!!
台場駅に8時5分前に到着!行き帰る人ごみを掻き分け会場へ走ります。何でちんたら歩いてるんだ。もうすぐアトラクションだぞ!君たち今帰ってどうする?!心の中で叫びながら年甲斐もなく全力疾走。
会場は昼間以上の人だかりでした。夜のガンダムはまた一味違った趣で、ほどなくアトラクションが始まり夏祭り気分の見物客の歓声が上がりました。と、その直後「蛍の光」が流れ、ライトアップ終了。案の定です。間に合って良かった。そんな会場へまだ人はどんどん流れてきます。「あれ、ライトアップしてんじゃねえの?」夜のデートの途中なのか、何も考えてない連中の声が暗闇に聞こえます。まったく、ファッションで来てるんじゃねえよ。
でもしょうがないとも思います。さして思い入れも無いのに、単に話題性だけで集まる人々。一大ムーブメントになるということは悲しいかなそういう一面を持つことです。広い意味では、認知され、むしろもてはやされている感もある現代の「オタク文化」なるものも結局はそれに近いのではないでしょうか。スポーツして汗流してるほうがずっと健全だということは十分分かっていながら、だからこそどこか遠慮がちに好きなものを一種、性分として追い求める。オタクは本来そんな存在だったように思うのですが。
『近江社中本店』
で扱う品物にも中にはそんなマニア向けの商品があります。それぞれのジャンルによって扱う我々よりもむしろ知識豊富な方々がお客様だったりするわけです。だからこそ、その好きさ加減に敬意を持って接していきたいと思うし、常に謙虚に自分の知識を増やしていきたいと思います。
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