どうやら世間ではこの日記もそれなりに人気があるらしいということを聞いて、少しホッとしたものの、忙しさにかまけて更新の遅さは相変わらず。愛想をつかされないようにと気合の投稿です。
最近アカデミックな内容もすっかり影を潜めた感のあるこのブログですが、今回は久しぶりに、春の美術鑑賞レポートでも書こうかと思います。そう、震災後投稿をしばらく休んでいた際も、古美術を扱う以上は私、ちゃんとそれなりに美術の勉強をしていたということですよ、皆さん。(偉そうに言えることか[:ふぅ〜ん:])
滋賀には信楽という陶芸で有名な町がございます。ご存知でしょうか?昨今の茶道ブームに乗って当店も次第に焼き物の仕入れが増えているということで(
参照)、参考のためというか、まあ休日のドライブがてら足を運んでみました。
信楽の中心街へ行くには峠道のルートがるのですが、途中に
「ミホミュージアム」というちょっと変わった博物館があります。昨年ここで全国各地の古壺を集めた企画展があり、その際初めて訪れたのですが、「この人里はなれた山中に、こんなところがあるのか」という壮大な博物館で、まさに『桃源郷』といった感じです。
こちらはある宗教法人が運営しているそうですが、もちろん一般に開放されていて、ある意味行政にはできないような充実した内容を持っているのが特徴。今では共通の趣味が少ないウチの夫婦にとっては格好のアミューズメントスポットになっています。ちなみにウチで言うところのその他のアミューズメントとしては、三井アウトレットパーク、イオンモールなどがあります。(うーん、庶民的
)
今回ここで開催されていたのは、
『長沢芦雪展−奇は新なり−』 。芦雪(ろせつ)は私もかなり好きな画家です。円山応挙という偉大な日本画家の一番弟子でありながら、その画風は師匠の世界を離れて実に自由で独創的。現代の『漫画』にも通じるような大胆なデフォルメの世界を体現しています。芦雪はよく紀州へ製作の旅をしていますが、本人も京都を離れた暖かな地で随分羽を伸ばせたのでしょう。枠にとらわれない本当に伸び伸びとした絵が印象的でした。
もちろん一見奇をてらっているようで、しっかりとした師匠譲りの画力が基礎としてあり、その上に成り立っているからこそ、人の心を捉えるということも付け加えておかなければなりません。たとえば…そうですね、プロレスで言えば、初代タイガーマスクの派手な空中殺法も、その根底はカール・ゴッチ譲りのストロングスタイルに裏打されているからこそ説得力があったわけですね。(とんでもないマイナーな話に入ってしまいましたが
)
ミホミュージアムを出て、いよいよ焼物の町信楽へ。ここで
「陶芸の森 陶芸館」というところを訪れました。たまたま開催されていたのは、特別企画展
『近江に花開いたやきもの−街道とともに−』。
えー、説明文…「古代より近江にはわが国を代表する主要な“みち”(街道)が集散し、特色ある文化が生まれてきました。近江が誇るやきものの文化も、そのひとつと言えるでしょう。(中略)本展では、湖国の街道とやきものを中心に、近江に花開いた陶窯を紹介します。」
これは近江社中を代表として見ないわけにはいかーん。勇んで中に入りました。結果、今まで知らなかった信楽以外の滋賀のいろいろな窯を知ることができました。ちなみにここで「湖東焼き」なるものが多く紹介されていたのですが、これが知る人ぞ知る彦根藩、井伊家御用達窯。実は何を隠そう、当店仕入れ担当の大番頭、ヤマグチ氏がかねてより密かに収拾に力を入れていると噂の名品です。近い将来、当ショップで紹介させていただく日が来るかと思われます。乞うご期待
。
さて、4月には実はもう一つ企画展に行っていたんですが…まあ、これはいいか。この企画に関しては我が家にもかなりのコレクションがございますので
。
『アニメ化40周年 ルパン三世展 -This is the world of Lupin the 3rd-』
因みに来場はここが一番多かったです。